世界陸上2017ロンドン大会 day5見どころ【013】

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10日間の世界陸上2017ロンドン大会も、折り返しの5日目を迎える。

本日はこの10日間で唯一、日本人選手が競技場に姿を現さない日になる。

そんな今日くらいたっぷり寝る、という選択肢もありだと思う。

だが、本日も注目の種目が目白押しだ。

寝た後悔がなきよう、朝まで寝るか仮眠をとるか、じっくり検討してほしい。

 

※この記事は「テレビで放送していたらチャンネルを合わせて、日本代表がいたらとりあえず応援する」くらいの方に向けた見どころなので、いわゆる「陸上ガチ勢」の方にはぬるい内容になっています。

day5 タイムテーブル

※すべての種目がテレビ放送されるわけではない。

 

03:20- 女子やり投 決勝

03:30- 女子200m 予選

03:35- 男子棒高跳 決勝

04:35- 女子400mH 準決勝

04:40- 女子砲丸投 予選A組・B組

05:10- 男子3000m障害 決勝

05:35- 男子800m 決勝

05:50- 男子400m 決勝

 

ボルト越えのファン・ニーケルク、二冠へ王手をかけるか。

 

今回見どころとして紹介する種目は、本日のプログラムの一番最後を飾る男子400m決勝。

中でも、注目は世界記録(43秒03)保持者のウェイド・ファン・ニーケルク選手(南アフリカ)だ。

TBSの番組公式サイト内の「超人BIG7」のコーナーでは「ウエイド・バンニーキルク」と紹介されるなど、表記や発音がメディアによって揺れるが、今回の記事では本来の発音に一番近いと思われる「ウェイド・ファン・ニーケルク」で統一したい。

早速だが、彼はなぜ「ボルト越え」なのだろうか?

見出しの「ボルト」は当然、今大会男子100m銅メダルのウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)を指す。

答えは、100m秒9台(09秒94)、200m19秒台(19秒84)、400m43秒台(43秒03)を同時に持つ唯一の選手だからだ。 

ボルトの100m(09秒58)と200m(19秒19)は世界記録でもあり、よく知られているが、400mの自己ベストは45秒28。

今から10年前の2007年、100mの世界記録保持者になるよりも前の記録だ。

もちろん、ファン・ニーケルクの100mと200mはそれぞれ9秒台、19秒台ぎりぎりのところではあり、2種目だけの水準であれば、ボルト以外でも彼に勝る選手は少なくない。

だが、400mの43秒03は他の選手を見渡しても突出している。

現世界記録は昨年のリオデジャネイロ五輪での記録だが、その前の世界記録は1999年にマイケル・ジョンソン選手(アメリカ)が打ち立てた、不滅と言われた43秒18。

この2人の記録に次ぐ記録は、ここ10年では2007大阪大会でジェレミー・ウォリナー選手が出した43秒45(世界歴代4位)や、2015北京大会でファン・ニーケルクに次ぐ銀メダリストのラショーン・メリット選手(アメリカ)の43秒65(世界歴代6位)になる。

ウォリナーの記録が丸10年前の記録だと考えると、2年前のメリットの記録でさえ、0秒62の差をつけていることになる。

いかにファン・ニーケルクの記録が突出しているかはわかるだろう。

今季も7月上旬に43秒62の今季世界最高記録を出していて、金メダルの本命が彼であることは揺るがないだろう。

だが、アメリカのフレッド・カーリー選手の躍進も著しい。

昨年の自己ベストが45秒10だったにもかかわらず、44秒60、44秒09へと1秒以上も短縮し続け、5月下旬には43秒70の世界歴代7をマークした。

22歳のカーリーは31歳となったメリットに代わって打倒ファン・ニーケルクの一番手に躍り出た(とはいえ、ファン・ニーケルクも25歳になったばかり)。

3日目の準決勝ではカーリーは43秒台が出た1組に出場し、44秒51の3位に入った。

2位の選手も44秒19という好記録だったため着順の通過とはならなかったが、タイムで拾われた。

2組のファン・ニーケルクは44秒22の組1位で難なく決勝進出を決めたが、1組が高速レースだったため、全体では3位での決勝進出となった。

メリットはファン・ニーケルクと同じ2組を走ったが45秒52の7位で、決勝進出はならなかった。

カーリーとファン・ニーケルク、準決勝1組で43秒を叩き出したガ―ディナー選手(バハマ)が表彰台争いの筆頭だろう。

だが、2015北京大会、2016リオデジャネイロ五輪ともに自己新記録で優勝したファン・ニーケルクのピーキング能力を考えても、やはりファン・ニーケルクが優勢だろう。

また、ファン・ニーケルクは昨日の200mにも出場していて、20秒16の3組トップで難なく準決勝進出を決めている。

今大会はボルトが200mを回避したため、200mと400mの個人種目二冠をファン・ニーケルクが達成する可能性もある。

だが、ファン・ニーケルクの二冠は決して簡単ではない。

ファン・ニーケルクは順調に行けば400m準決勝、200m予選、400m決勝、200m準決勝、200m決勝と5日間試合が続くことになる。

昨日の200m予選を通過し、本日は身体のリフレッシュに充て、明日以降の準決勝、決勝に挑む200m一本、または100mとの2種目出場の選手とは、疲労の蓄積度合いも全然異なるだろう。

だが、200mもボルト不在で大混戦となっていて、可能性はゼロではない(男子200mについては7日目の記事で触れる予定)。

今夜の400mはファン・ニーケルクが二冠に王手をかけるか、自己ベスト更新、すなわち世界記録で優勝となるか。

また、カーリーが大方の予想をひっくり返す大逆転劇を見せるのか、目が離せない。

 

男子400m決勝は翌朝05:50からの放送予定なので、睡眠時間を選んだ方も、ぜひ早起きをして観ていただきたい。

 

 

written by. ENOKI( @enoki0520